東洋に伝わる健康法2-月経トラブル専門鍼灸

〇未病を治すというのは、まだ病が起こらないときに、普段から慎み深くしておけば、病もないということである。病となれば、病の苦しさだけでなく、不自然な麻痺薬を常飲しなければならないし、身を苦しめ、心を痛ましめる。病がない時に養生しておけば、病を未然にくい止めることが可能となるため、病は発症せずに眼に見えない大きな福となる。

〇病気でない時からすでに慎んでいれば病は起きない。病気になってから薬を服用したり、鍼灸を受けるのでは一歩出遅れることもある。小欲を慎まなければ大病となることもある。病の苦を考えて、後の禍(わざわい)を恐れる必要がある。また、病の回復期は大切で、古い言葉に「病は少し癒えるに加わる」というのがある。

〇一時の快楽をむさぼれば、後で禍(わざわい)となる。また、始めによく慎めば後に悔いはない。これが養生の道で、やはり古い言葉に「終わりを慎むことは、始めにおいてせよ」というのがある。

〇内欲を抑え、外邪を防ぐ心がけがあれば、病に罹患せず、薬や鍼灸の力を借りないで済む。病気になったら養生の道を守って、ひたすら静かに回復を待ち、焦ってはならない。

〇明け方やお風呂上りの冷えや、冷飲食には気をつけたほうが良い。冷えが項(うなじ)の辺りから入り込めぱ、慢性水っ鼻などの原因となるし、下から腹に入れば下痢症や便秘症にもなりかねない。

〇痛みや違和感が移動したり、痙攣(けいれん)などが起こる人には、アルコールを常飲している人も多い。これは肝風内動などによるものである。特にイライラタイプに多く見られる。

〇春は冬の寒さの余波に気をつけて、良く運動すべきだ。また、純陽の月だから、色欲に注意する(逆に妊娠するには都合が良い)。夏は食事を控えて消化に気を配り、生ものや冷えたものに注意する。

〇中国の漢方薬量は日本の漢方薬量よりも多く、大体3~5倍になる。また、鍼灸にしても刺激量は同様である。これは体質の違いである。そのため、中国の東洋医者が日本で鍼灸師の免許を取得して開業している人もいるが、国による体質の違いに苦慮しているようである。

〇腎を養うには、次のようなことに留意する必要がある。腎は水を司る。また、五臓六腑の精を受け、蓄える働きがある。五臓が盛んであれば、腎水も充分である。腎だけに精があるわけではない。腎を補うということで、腎にだけのアプローチを用いてはならない。なぜならば、腎は身体の下部にあって五臓六腑の根であるからである。もし、腎が虚すれば人身の根本が衰えることになる。だから、養生の道は腎気をよく保たねばならない。腎気が滅びれば命も危うくなる。

腎虚には3種類ある。腎陰虚・腎気虚・腎陽虚である。腎陰虚は虚熱証で、腎陽虚は虚寒証だから、この2つは反対である。しかし、女性は全てが冷え性だと思っている人も多く、腎陰虚にも関わらず、「私は冷え性だ」といい、温補薬を飲んだり、灸を据えたがる。それらが効かなければ問題ないが、効いた場合は悪化する可能性がある。腎陰虚を見分けるポイントは、舌質が真っ赤・苔が黄色・脈が固い・・・などである。

〇香りが鼻を養うことは、五味が口を養うようなものである。香りが良いものをかげば正気を助け、邪気を追い払い、悪臭を消し、精神をしっかりとさせる。静かな部屋でお香をたいて黙座すると優雅な気持ちとなり、心を養う。アロマテラピーで月経異常が改善することもあるのは、このためだ。

〇朱子は68歳の時、自分の子供に「衰え病気になる人の多くは飲食過度により起こり、殊に肉を多くとるのは良くない」と言っている。

〇老人は肺気旺盛体であり、また脾胃に負担をかける事は慎むべきだ。そのため、食事は少量がよく、軟らかいもの、味がうすいものを摂るのが良い。

〇富貴の家の子供は腹いっぱい食べるから病気が多いが、貧乏の家の子供は食が不足しているから病がなく、健康でいられるという面がある。(遠い昔の話、今は食べ過ぎ病ばかり)

〇少し食べ過ぎたと思うとき、身体を人一倍動かすと食べ物が消化され、気分も落ち着く。いつも身体を動かさないでいる人は、気が体内で巡らず、水分も固まり、そこに月経異常が重なると、癥瘕(ちょうか)などの原因となったり、心療内科系の病に陥ったりする。
(2011.07記)

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