1 食糧不足国と飽食国では健康法も逆
〇食糧不足の国において、「メタボに注意」という人はいないだろう。しかし、飽食の国では「栄養たっぷり」と平気でいう。そんなに栄養が足りないのか?目先の欲望に従って肥甘厚味&辛辣酒酪な食物をほおばっていれば、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素が足りなくなることはあるだろうが、三大栄養素が足りなくなることはない。
〇中には、極端なダイエットをして栄養が不足する人がいる。しかし、ダイエットという発想自体が、食糧不足の国においては存在しない。いわゆる飽食国病だ。(※ただし、それほど食べていないのに体重が増える場合は、”痰湿”などといって病気とみなします。)
〇虚弱体質者においては、食べても太れない人がいる。これは食べるのが足りないわけではない。食べたものをエネルギーにするだけの内臓の力がないのだ。内臓の力がないのに無理矢理、胃袋に詰め込んで「こんなに食べられた」という人がいるが、余計に負担がかかり悪化することに気づいていない。もし、無理に太ったとしてもアマリモノであり、身体にはよくない。
〇これらの事は、専門知識がなくてもよく考えれば分かることだと思う。しかし、目先の欲望が邪魔したり、西洋科学的な栄養学に洗脳されていると分からなくなる。〇〇を〇グラム摂取しなければならない・・・という発想自体が間違っていることに、そろそろ気づかなければ、これからも同じ間違いをおかし続けることになる。
〇わが国は世界一の長寿国だ。今、長寿な人たちは若い頃は食糧不足を経験している。若い頃は、一生の生命力の土台をつくる時期だ。もし、西洋科学的な栄養学が正しければ、そんな時期に食料が不足していたら寿命が短いに決まっているが、実際はそうではない。
〇食欲は様々な欲望の中で一番先頭に来る。どうしてか?それは、食糧不足の中で生きることが前提で生物(人間含む)がつくられているからだ。もし、飽食が前提で生物ができているのであれば、食欲はもっと後に引っ込んでいて良いはずだ。特に少子化が問題になっている昨今であれば、性欲が一番先頭に来ても良いように思うが、比べるまでもなく食欲の方が先だ。
〇頭の良い人は知識で考えようとするから、簡単なことが分からなくなるのではないか?気づいている人もいるだろうが、欲望を否定するようなことをいっても大衆に受け入れてもらえないだろう。ましてや、昨今では大衆に媚を売るようなことをいわないと、社会から抹殺されてしまうから正しいことがいえない。勇気がある知識人がいても、視聴者・購読者がそっぽを向けばメディアにも出られなくなるのが現実だ(参考:砂糖2)。バラマキの政治がはびこるのは政治家のみが悪いのではなく、我々有権者も悪いのだ。
〇政治も人の生命力のあり方も、歪んだ方向に進んでいることに警鐘を鳴らしたい。特に最近体調が良くて調子にのりがちな私自身に・・・。
2 時代にあった健康法
ちまたで東洋的健康法をなのる人が、「夏の間は体を冷やすような夏の食べ物(トマト・きゅうり・ナス・スイカなど)を適度に摂ることがよい」という人がいるが、それは昭和40年代くらいまでの話だ。清涼飲料水やアイスなどの冷たいものを食べない時代であれば、そのとおりだ。しかし、現代では、欲望に任せて清涼飲料水やアイスをほおばっている。普通のアイスでは足りなくて、氷点下〇度を売り物にしている商品もある。ここまでくれば正気の沙汰ではない。そんな環境の中で「夏の間は体を冷やすような夏の食べ物を・・・」ということが、いかに時代錯誤かがわかるだろう。通り一遍で上っ面な健康法を並べるのではなく、患者さんのことを真剣に考えて、時代にあった健康法を提唱しなければ意味がない。私も鍼屋のはしくれだから、肝に銘じようと思う。余計なお世話かもしれないが・・・。
(2010.07記)
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