月経トラブル専門鍼灸−生理前症候群(PMS)-低回数による効果を追求

月経トラブルは大雑把(おおざっぱ)に無理矢理分けると、@胃腸 型 Aイライラ型 B冷え性 型 の3種類になります。ここでは、生理前症候群(PMS)に特化して説明します。

1 概要
〇東洋では「経行情志異常」などと表現します。約1800年前の古典にも似たような記述があり、当時の人も同様の症状に悩まされていたようです。
〇排卵期〜月経前にヒステリー、不眠、怒りが抑えられない、悲しくなる、うつ、だるくて外出が困難、食欲減退、異常な食欲(特に甘味)、吐き気、異常な眠気などの症状が出ますが、月経が来ると正常に戻ります。
〇生理前症候群の症状は、人によって軽重さまざまで、うつっぽくなるタイプ(内にこもるタイプ)と、怒りが抑えられないタイプ(外に向かうタイプ)があります。
@内にこもるタイプ・・・(軽)うつっぽくなり、あまりしゃべりたくなく社交性が乏しくなり、悲しがって泣いたり、ぼーっとしがち、吐き気、胃のむかつき、異常な眠気。(重)どよ〜んとした精神状態、理屈に合わないことを言う。
A外に向かうタイプ・・・(軽)神経がピリピリし、過敏な状態になり、怒りを抑えられず、イライラ、ヒステリーなどを繰り返す。(重)ののしり、罵倒し、物を投げる、しゃべりまくって止まらない、殴りかかる。
@とAを合併する場合もあります。
月経後半以降に体調を崩すタイプもあります(虚弱体質型)。

2 分類
@肝うつ気滞型(イライラ型)
(ア)特徴
排卵期〜月経前に精神不安定になり、生理前症候群になります。神経がピリピリ・イライラして起こりやすくなり、コントロールをしにくい、吐き気、胃がムカムカ、電車に乗れない、など。酷くなると無礼なことをいったり怒り散らしたり、殴りかかることさえあります。月経が始まると、詰まっていたモノが出て行くため楽になり、治療は必要なくなります。

(イ)普段からある症状
よくしゃべる・または逆に寡黙、胸や脇が張る、食欲減退または異常な食欲、イライラしがち、頭痛持ち、口が苦い、唇が渇く、舌質(苔の下)は赤い(特に舌の両脇や先)、脈はピンと張った弦のよう。

(ウ)分析(参考:月経のメカニズム)
排卵期〜月経前は肝気が盛んになるため、気が高ぶります。また、そこにストレスや運動不足が加わると、気が滞り、血も滞るため、余計なものが身体の中に鬱積し、巡らなくなるので、気持ちが悪くなり、様々な症状を引き起こします。月経が来ると、肝気が急激に下降し、余計な(詰まっていた)モノが出て行くので、楽になり正常に戻ります。月経血の色は鮮紅色である場合が多くみられます。


A痰湿化火型(胃腸 型イライラ型)
(ア)特徴
月経の前に狂騒状態になり、神経ピリピリし、支離滅裂で、罵倒、ぼ〜っとしている、異常な眠気、社交性がなくなる、などになります。特に倦怠感が強く、動く気になれない、身体がだるくてだるくて仕方がない、食欲は全くなく甘いもの以外は受け付けない、湿度に弱い、吐き気、胃のむかつき、などが特徴です。

(イ)普段からある症状
食欲がない、湿度の高い日は電車に乗るのが大変、便秘または下痢(軟便)、大便が便器につく、朝起きぬけに痰が出る、全身倦怠感、重だるい、熱がりで寒がり。舌質(苔の下)は赤いが苔が厚いため、白(黄色)く見える、脈は滑らかに触れる。

(ウ)分析(参考:月経のメカニズム)
脾(≒胃腸)から吸収→全身に栄養や水分を行き渡らせる・・・の機能が弱いため、身体の中に余計なものがたまり、それが不快で精神情緒を混乱させ、生理前症候群の症状が出ます。月経前になると、肝気が盛んになるため、気が高ぶります。その高ぶった気が元々の鬱積したものと結びつき、精神情緒を侵します。月経後には肝気が急激に下がるため、普通に戻ります。運動すると、こもっているモノを動かすため改善しますが、このタイプは普段から全身倦怠感が強いので、運動を嫌います。運動不足→余計なものを身体中にめぐらせる機能が弱くなる→全身倦怠感が悪化→もっと運動不足になる・・・といった悪循環をたどります。


B虚弱体質型(B冷え性 型) (生理後症候群)
(ア)特徴
このタイプは生理前症候群には入りません。どちらかといえば月経中〜後症候群です。虚弱体質ですから、元々エネルギーが不足気味です。それが、月経によって更にエネルギーが排出されることにより、様々な愁訴が出ます。月経が始まると過去の事を後悔する、異常な眠気、うつっぽくなる、人が怖い→人と距離を置く→人が寄ってこない、生きていくのがイヤ、理由もなく悲しむ、などが挙げられます。また、月経が遅れがち、月経血は少なくうすいのが特徴です。

(イ)普段からある症状
顔色が悪い、物事にビクビクする、倦怠感、言葉に力がなく聞き取りにくい、髪の毛につやがない、めまい、立ちくらみ、目に輝きがない、唇は淡い色、寒さに弱い、便秘または軟便、残尿感、頻尿、胃腸虚弱など。舌は白っぽい色で、舌の両脇に歯の跡がある、脈は弱い。

(ウ)分析
元々エネルギー不足のため、月経により血と気が失われ、エネルギー不足が顕著となります。身体と精神は一つであり、エネルギーが不足すれば身体もだるくなり、精神も潤わなくなり、精神不振が顕在化します。心神が栄養不足になるため、びくびくする、動悸がする、うつ、ぼ〜っとする、人が怖い→人と距離を置く→人が寄ってこない、などの症状が出ます。
栄養不足といっても、食べる量や栄養素が足りないわけではなく、エネルギー生産能力が足りないため、必要以上に食べれば、胃腸に過度な負担が加わり、更に悪化します。足を使う運動をして、胃腸の消化吸収能力を高め、海のもの(海藻)・ネバネバ系(山芋、納豆など)を日常食とし、間違っても甘いものやインスタント食品を常食としないことが大切です。お茶類・コーヒー類などは極力控え、夜は23時には就寝しましょう。

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