〇現代の食生活の盲点
現代の飲食生活の盲点に挙げられるのは、「生命力を考慮していない」ことです。現代の栄養学はある意味、単純な発想で成り立っています。成分を分析して「〇〇が〇g入っていればよい」という発想は、本来の栄養学からみれば、ある意味複雑で、ある意味単純です。
〇元来の食事の意味
元来、私たちは飲食物からそれらに含まれる生命力を摂っていたのです。生命力を失った栄養補助剤を摂取して「○○を○グラム摂ったら1日分の栄養が摂れる」などという単純な発想は、死んだ栄養学です。では、飲食物から生命力を摂取するためにはどうすれば良いのでしょうか?答えは「なるべく自然のものを食べること」です。季節の野菜を中心として、肉ではなく大豆類(納豆・豆腐など)や小魚を常食とし、糖質はご飯が基本です(玄米食は胃腸が弱い方には向きません)。これは子宮トラブルの最大の対策になります。
〇食べ物に含まれる生命力が衰えている
我々の日常食に含まれている生命力の量は、年々減っています。これらは、ビタミン含有量として科学的データにも示されており、「野菜 ビタミン含有量 減少」で検索すれば、閲覧することができます。科学的データでは、ビタミンなどの科学で図れる栄養素しか分かりませんが、野菜の生命力が減少していることは、感覚で考えれば気づいておられる方も多いのではないでしょうか。私が子供の頃は、大した農薬も使用せずに栽培し、畑でとれたばかりの野菜をすぐに食べることはよくありました。よそのうちの畑で栽培しているトマトを盗み食いしたこともあります。自然に生えている桑の実をとって食べたこともあります。私よりも年上の方は、そうした体験を豊富にお持ちだと思いますが、そのような方から見ると、「今、スーパーで売られている野菜は生きていない」とお感じになるのではないでしょうか?これは野菜の農薬のみが原因ではありませんし、野菜に限ったことではありません。食べ物全てに言えます。ましてや冷凍食品ともなると、完全に死に体です。
〇生命力が衰えているのは食べ物だけではない
生命力が衰えているのは動物も同じです。もちろん、私たち人間にも言えます。生命力を反映するバロメータとしての生殖能力をみても、「男性の精子の数が減少している」などということは科学的データでも言われています。なぜかというと、食べ物をはじめ、空気・大地など、我々を取り巻く環境が、生命力を弱めるようにつくり変えられてしまったからです。空気ひとつとってみても、汚れた空気です。極端な話、コンクリートの中で暮らしていること自体、生命力を弱めているのです。(自然の中の)木造の家で暮らした経験をお持ちで、なおかつ敏感な感覚を有している方であれば、お分かりになると思います。つまり、「大自然を傷めずに共存する」ことを選んでいた東洋的思想から、「大自然を支配して、人間にとって都合の良い状態に無理矢理つくりかえてしまう」といった欧米的思想に変わってしまったことが原因です。その結果、”自然を壊すだけ壊しておいて、それでもまだやめない”という社会に変わってしまったのです。自然そのものの生命力が弱くなれば、その中で生活している全ての生命力が弱くなるのは当然です。それは科学的データには出ませんが、感覚で考えられる方にはよく理解できると思います。
〇全体食
東洋では全体食という概念があります。本来の食材から成分だけを取り出しても、生命力が死んだ状態になってしまいます。畑で取れたものを、そのまま(消化の悪いものは生命力を失わない範囲で加工して)食べることは、食材に含まれている生命力をそのまま摂取することになります。死んだ食材を数週間や数ヶ月、日常食として摂取しても影響はありません。しかし、数年・数十年〜一生と蓄積されていくと、大きな差が開きます。そうした生活を続けていった挙げ句、子宮トラブルなどの体調不良となって発症しても、それが「生命力の弱った中で生活している」ことが原因であることには気づきません。
〇人間の浅知恵と大自然の力の差
栄養素は後から後から新しいモノが発見されます。数十年前には聞いたこともないような栄養素が、今日では当たり前のように表示されている例もあります。大自然の恵みをそのまま食べていれば、新しく発見される栄養素などは当たり前のように摂取されているのです。人間の浅知恵などは、大自然の力に比べれば取るに足りません。
〇無意識の中の意識
大自然の力は偉大です。三日坊主の私が珍しく、毎日、古式の鍛錬法を実践して7年以上になります。大自然の中で行った時と、部屋の中で行った時では、元気の出方が違います。特に雑木林の中で運動すると、足が地面の中に食い込んでいくように、「足が地に付いている」といった感覚をおぼえます。また、鍛え始めて5年くらい経った頃から、津液(しんえき=身体の潤い)が出てきて、膝のコキコキや腰が痛いのが改善し、しっとりと良い気分になります。口の中に甘い味(砂糖のような甘さではありません)の唾液も湧き出てきます。これを昔の人は「華池の水=養生の甘露」と言ったようです。現代的に言えば「副交感神経が活性化して、唾液の分泌状態が改善された」となるのでしょうが、そんなに単純なものではなく、もっと深遠なものです。「大自然が身体に良い」という感覚は、”無意識の中の意識”として誰でも持っていることです。ゲームばかりやっている子供と、大自然の中で力いっぱい遊んでいる子供では、傍から見ても生命力のみなぎり方が違います。同じ子供でも、大自然の中で遊んで帰って来たときと、ゲームで遊んで帰って来たときでは、”生命力のみなぎり方”が違うことをお感じになるのではないでしょうか?これは大人にも言えます。天気の良い日は、公園や河川敷に行くと、大人も身体全体で自然を感じ取っています。その表情は実に生き生きとしています。室内で、テレビやパソコンをいじくっているときとは違います。これが”無意識の中の意識”として生命力を感じている時です。
〇※オカルト・オタクとは違う
私はオカルト・オタク的な発想は信じないほうです。元来は「気など存在するわけないだろ。そんな怪しく曖昧なもので人を惑わすべきではない」という考え方です。鍼灸をやっている人の中には、オカルト・オタクも多くて、「気が出る」「気を送る」などということを口走り、鍼灸をオタク遊びの道具にしている人が多くいます。私はそのような人たちとは一線を画しています。そんな私でも、鍼灸をやって長年経たちますと、身体が敏感になり、今まで感じなかったことを感じすぎてしまい、困ることがあります。私よりもっと敏感な友達(=難病に罹患中、オカルト・オタクではない)に言わせると、@「冬は大地のエネルギーが地面に眠っているから、裸足で地面に着くと生命力がすごい。夜に咳が出て困る時は、地面すれすれに鼻を持っていって呼吸を繰り返すことを行えば、一晩くらいはひどい状態にならずにすむ」、A「夏はエネルギーが植物の葉に回るから、雑木林の中に行くと気持ちが良い。その代わり、地面に裸足で着いても生命力を感じない」と言っています。かつての私はそんな感覚は微塵も分かりませんでしたが、最近では分かるようになってしまって、ある意味困っています。私以外の人も”無意識の中の意識”として、そのような大自然の伊吹を感じているからこそ、自然の中では生き生きとした表情をしているのです。
〇では、どうしたらよいか?
畑で取れたものをそのまま食べることは、今日では難しくなっています。それならば、明らかに不自然なものを避けることが賢明です。できない理由を探したり、100%確実なことを実践しようとすれば挫折しますから、できるところから始めれば、生命力の損傷も最小限で食い止めることができます。その1つの例がインスタント食品や冷凍食品です。どう考えても不自然で人工的極まりないにも関わらず、「科学的に分析して問題ない」との言葉を鵜呑みにすることは無防備です(時間がないお母さんごめんなさい)。
〇感覚で考える
国民年金問題などで「国のやることなど信じられない」などといいながら、国が「メタボ」などと発表しメディアが取り上げれば、「右向け右」とばかりに多くの国民が、国のいったことを鵜呑みにしてしまいます。同様に、国が「冷凍食品でも安心」と言えば全面的に信用し、自分で考えようとはしない傾向があります。国やメディアが言うことが全てではありませんから、自分自身の感覚で考えなければなりません。しかし、私たちは科学者ではないので、「科学的に分析したら安心」と主張する科学者に理屈で対決しても勝ち目はありません。「科学者のいうことが正しい」という結論に達するに決まっています。しかし、感覚で考えれば「冷凍食品やインスタント食品はどうみても不自然」ということが簡単に分かると思います。
〇実証体質や虚弱体質は健康診断で証明されないことも多い
ここでは飲食について述べていますが、健康診断の結果でも同様です。「実証体質や虚弱体質である」という事実は、健康診断のデータには表示されません。子宮トラブルでお悩みの方には、実証体質や虚弱体質の方が多く存在します。「私は健康診断の結果が異常なしだから、良いのだ」などという考え方は楽観的な発想です。これについては別に述べますが、「科学的なデータは参考になるが全てではない」ということを理解していただいて、ご自身の感覚を信じて日常生活を過ごされることをお勧めします。

〇感覚を研ぎ澄まして防衛する
月経トラブルにお悩みの皆さんは、病名のつかない症状に悩まされている方々も多いですから、私の下手な文章でも、ある程度理解していただける方もいらっしゃると思います。病気になっても社会は助けてくれませんから、自分の心身は自分で守るしかありません。どうかご自分の感覚を麻痺されることなく研ぎ澄まし、周囲の生活環境を観察されると良いと思います。
(2009.07記)
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