何を食べたら改善しますか?

〇「昨日は玄米食に煮物と海草を食べたから、こ〜んなに調子が良い」という話を聞くことがあります。「玄米はこうだから身体に良くて・・・」などと続きの話が始まります。本当に昨日の玄米・煮物・海草が身体に効いて、こ〜んなに調子が良いのでしょうか?

〇答えは、大きな勘違いです。玄米食・煮物・海草が健康食であることは、私も知っています(玄米の場合、白米よりも消化が悪いことを考慮する必要はありますが・・・)。しかし、食べ物は養生であって治療ではありませんから、それほどの即効性はありません。それでは、なぜ、調子が良くなったのでしょうか?それは、悪い食べ物を寄せつけず、しかも、腹八分でやめたからです。

〇我々の日常食は、メチャクチャと言っても過言ではありません。外で弁当を買えば、脂肪とたんぱく質のおかずばかりで、野菜などは言い訳程度に添えてあるだけ。飲み物は神経興奮飲料(コーヒー、お茶類)や冷たい又は甘い飲み物。しかも、腹いっぱい詰め込んで、それが当たり前になっています。そんな日常の飲食生活の中で、玄米食・煮物・海草を食べれば、過度な脂肪やたんぱく質を摂取することはありませんし、しかも、そういう時は健康を意識して食べますから、腹八分でやめます。つまり、良いものを食べたから調子良くなったのではなく、悪いものを寄せ付けなかったから、調子が良くなった(本来の調子に戻った)わけです。

〇HPの閲覧者からよく聞かれる質問に、「何を食べたから改善しますか?」というものがあります。そんな時は、「何を食べれば・・・ではなく、何を食べなければ・・・が正しい」と答えています。我々の日常は、飽食そのものです。三大栄養素が不足して、栄養失調で調子を崩している人などは、ほとんど存在しません。逆に食べ過ぎて調子を崩しています。メタボなどは良い例です。ですから、「悪いものを寄せ付けず、食べ過ぎない」を気をつければ、自ずと正しい食生活になっていくわけです。

〇それでは、悪いものとはなんですか?と聞かれるでしょう。脂肪やたんぱく質過多、不自然に甘い物、腎膀胱系統を不自然に刺激する物(コーヒー、お茶類)、冷たいもの、胃腸が過度にゴロゴロするもの(牛乳など・・・いくら成分が良くてもゴロゴロいうのは消化吸収がうまく行っていない)・・・ざっと挙げてもこれだけ思いつきます。つまり、我々の日常的飲食物の多くは、身体に悪いものなのです。あまけに、毎食腹いっぱい詰め込んだり、間食をしているわけですから、更に内臓に負担がかかり、生命力が旺気しなくなります。

〇第一に、悪い物を寄せ付けない食生活を心がけ、それが達成できたら次の段階で良い物を食べるように心がける、というのが本来の順番です(同時にやっても差し支えない)。非常に厳しい内容ですが、これが正論です。糖尿病食などを思い出して頂ければ、納得できるのではないでしょうか?本来、我々は半食糧不足的状態の中でも、ある程度は順応できるようにできています。というよりも、不足気味の中で生きていくことが前提につくられている、といっても過言ではないでしょう。そのために、様々な欲望の中で食欲が最も強いわけです。食欲が最も強いのに、とりまく環境は飽食状態ですから、食べすぎて当たり前なのです。よほど厳しく自分を律しなければ、正しい食生活を実践することは無理です。

〇あれを食べれば健康になる、これを食べればこ〜んなに良い、などと、きれい事が蔓延(はびこ)っていますが、「それは非現実的な絵空事」といったら言い過ぎでしょうか?売る側はセールストークを駆使し、耳障(みみざわ)りの良いことばかりを唱えて、売り上げを伸ばそうとします。消費者側は、本来の正しい飲食生活を送るのはイヤですから、絵空事を追いかけて、厳しい現実から目をそらそうとします。その結果、売る側・買う側、双方の利害が一致して、過度な欲望を肯定するだけの間違った食生活ばかりが広まっていきます。そして、何よりも問題なのは、「食べたくもないのに、無理矢理にでも胃袋に詰め込まなければならない」とする西洋科学的栄養学が、こうした現象を後押ししていることです。

〇飲食の内容は、養生において大変重要です。しかし、飽食の世の中で必要とされていることは、不埒(ふらち)な食欲を厳しく律し、質素な食べ物の中に楽しみを求める飲食生活です。そのためには、運動が大変重要な鍵を握りますし、睡眠も食欲や運動に密接に関わってきます。運動・睡眠・食事・・・この3つをどのように律して生活するかによって、我々の人生は大きく変わっていくことでしょう。
(2011.6記)

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