東洋に伝わる健康維持法

〇耳・目・口・体の欲を抑える
見ること・聞くこと・飲食・色を好むことなど、人それぞれ好きなものがある。それを欲望という。全ての悪は、この欲を欲しいままにすることから起こる。そのため、これを忍ぶことが大切になる。この忍耐と欲とは、善と悪が起こる始めである。生命力を消耗したくない人、生命力のバランスを整えたい人は、努めて欲しいままにすることをやめ、忍ぶことを大切にすることが大切。

〇外邪を防ぐ方法
外邪とは本来、風寒暑湿である。しかし、現代では食品添加物・良くない空気・コンクリートの建物など多種多様だ。ただし、現代的な外邪は極めて微量であるため、心身に及ぼす影響は証明されない。これらの外邪を防ぐことは絶対に無理だ。ただし、できる範囲で防げば病気になりにくくすることができる。飲食過多・色欲から起こる消耗は自分で守るのであって、天命・天運ではないので、全て自分の罪である。天命・天運はどうしようもないが、わが身から出ることは自分次第である。

〇恐れの必要性
食べていけなくなる恐れから逃れるために仕事をする・・・仕事にはそういう意味もある。同様に健全な心身を保つためには、恐れが必要だ。恐れはわが身を守る心構えともいえる。恐れが慎みを生むこともあるからだ。

〇虚と実
生命力を損なう害に2つある。1つは生命力を消耗すること、すなわち、虚である。2つめは気血が滞ること。すなわち実である。過度な少食・色欲(特に男性)・過労は虚につながる。また、間違った飲食・運動不足・ストレス過多は実につながる。この虚と実はいずれも生命力をおかしくする。

〇気持ちは動かし過ぎないように、身体はいつも動かしておく
気持ちは静かで安らかに、動じないように保つべきで、肉体はいつも運動を心がける。気持ちが平穏ならば怒・喜・思・憂・悲・恐・驚に侵されることはなく、平和に生活することができ、飲食はスムーズに消化でき、気血が巡って病気しない。

〇治療よりも予防
薬を用いる場合は、やむをえない時のみである。昔の人は下の策といっている。飲食・運動不足・遅寝を慎み、正しい生活をすれば、病気を防ぐことができる。胃腸が不調の人でも、足を使う運動をし、早寝すれば薬や鍼灸をしなくても改善するだろう。昔の人はこれを上の策といっている。

〇内敵と外敵
内敵とは不必要な食欲・運動不足欲・遅寝欲・自己顕示欲・富貴欲などの過度な欲望や、七情(怒・喜・思・憂・悲・恐・驚)である。これらに勝つには、気持ちを強く持ち、忍耐する覚悟が必要である。外敵とは風・寒・暑・湿+食品添加物・悪い空気などである。これらに勝つには、油断なく敵を防ぎ、防衛するようことが必要である。完全に防ぐことは無理でも、大半は防げるだろう。

〇一時の快楽と真の楽しみ
現代人は果汁のように酒を飲み、過労を重ね、欲望の限りをつくす。つまり、一時の快楽のために生きることの真の楽しみをすり減らす。だから、50〜60になる頃には衰えてしまう。昔の聖人はおてんとう様とともに自然と仲良くし、過度な欲望を持たなかったため、体内の栄気・体表の衛気がしっかりと働いた。また、足を使う運動を欠かさなかったので、食物はおいしく感じることができ、夜はぐっすると眠ることができた。

〇人生の楽しみとは何か?
@正しく道を歩むこと A心身ともに健康であること・・・いくらお金持ちでも、こうした楽しみがなければ本当の楽しみがないことになる。ちなみに、富貴はこの中に入っていない。

〇天寿を全うする
人の平均寿命はわずか百年に達せず、天地の長さに比べて短い。このような短い命を持ちながら養生の道を踏み外して短い人生を益々短くする。人の命は道に背いてまで短くしてはいけない。

〇生命力を保つ道は学ぶ中から得られる
人は小さな技術については、会社や師匠から学べるが、大きな技術すなわち生命力を保つ技術は学ばずに欲望に任せている。このような状況であれば、健康寿命が長いはずがない。もし、この道に精通した人に学ぶことができたら、たいへんな価値がある。現代人は、生命力を消耗して健康寿命を短くする人が多い。また、高齢者はやたらに薬漬けになったりして、生命力を消耗する人が多い。このような状態ならば、たとえ寿命が延びても楽しいことはなく、苦しみが多い。
(2011.6記)

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