生理痛 月経 鍼灸-恐怖の激痛 

〇私が今までに目の当たりにした、最大の痛みは生理痛です。私は男なので、自分では分かりません。しかし、鍼をするようになってから、最初に目の前で苦しむ姿を見たのは、生理痛に悩む知り合いでした。トイレから出てきた後は寝ることもできずに、お腹を抑えたまま固まっていました。問いかけても何も答えず、汗をびっしょりかいて、顔は真っ青です。「救急車を呼ぶべきなのか?」と考えるほどでした。後で本人に聴くと、「痛みだけではなく、貧血も同時に襲ってくるので気が遠くなる」とのことでした。私も、痛い思いは何度もしたことがあります。腹痛、骨折、怪我、歯肉炎による抜歯、腰痛、殴られたことなど、挙げたら切りがありませんが、生理痛ほどの痛みはほとんど味わったことがないと推測されます。

〇自分自身が健康になりたくて鍼をはじめた私ですが、「今、目前で展開されている痛みを和らげることができたら、どんなにいいだろう。否、目の前で苦しんでいる症状を、改善することができなくて何が鍼灸だ」などと真剣に悩みました。私の目的は内臓の不調を改善させる鍼灸であり、あんまやマッサージに代わることができない技術でした。そのため、一般的な鍼の技術を学びながら、一番身近にある生理痛に苦しむ知り合いを実験台?に何度も試みました。当人は排卵の頃からの不調なども併せ持っており、それも含めると1月のうち2週間以上も不快な症状に悩まされていました。

〇学校の教科書や鍼灸関連の本を読みあさり、生理痛・月経異常の施術法を探しました。オーソドックスな鍼灸の手技やツボから始め、一般に出回っている女性症状 緩和のためのツボなどを何度も試みましたが、症状は改善しませんでした。教科書的には約十数種類の手技が掲載されていて、その全てを試みましたが効果はありませんでした。ツボについても考えられるほとんどの場所に刺しましたが、ダメでした。しかし、刺鍼をはじめてから3回目の生理のときに、痛さはなくなりませんでしたが、吐かなくなりました。私は光が見えた気がして喜びましたが、4ヶ月目の生理ではまた吐いてしまいました。「これが改善できなければ、私は鍼灸師になれない」と真剣に思い込み、悩みました。それでもあきらめずに(知り合いが毎月苦しむので忘れたくても忘れられない)鍼灸を続けていたところ、ある法則に気がつきました。

〇まずは患者さんの呼吸との合わせ方です。この方法を実践すると、吐き気にはかなり効果があることが分かりました。次に気づいたのは鍼の回し方です。鍼の回し方を、少し工夫して変えてみたところ、痛さにも効果をあげるようになってきました。その後、深さ・ツボ・タイミング・強さ・角度などに工夫を重ね、いろいろな人に試した結果、一定の効果をあげられるようになりました。激痛の最中に刺して症状を緩和することも経験し、自信がついてきました。激痛の最中に刺して結果を出す必要に迫られるときは、今でも緊張します。

〇そうしているうちに、口コミで患者さんを紹介してもらえるようになり、今に至っています。鍼灸で何とか生活できる環境に恵まれた結果、鍼灸整骨院などで働いた経験がありません。よって、普通の施術師のようにマッサージや整体はできません。鍼がメインで灸を補助的に使い、痛みを改善することを業としています。

〇月経異常に悩む皆さん、どうかご自分にあった改善方法を探してください。きっと何かあるはずです。漢方薬や健康食品で改善した例もいくつか見聞きしました。同時に、日常生活の摂生に努められることをお勧めします。一刻も早く、痛く苦しく人に理解されにくく、一人で抱え込まなければならない症状に、さよならを告げられるよう祈念いたします。
(2007.03記)

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