きっかけと原因(腰痛の例)

〇先日、私は腰痛で動けなくなりました。少し重いものを持って、立ち上がろうとした時のことです。腰(横)に激痛が走り、ヘナヘナとなってしまいました。こんなとき、一般的には「原因は重いものを持ったこと」となりますが、それは違います。重いもの・・・といってもそれほどの重さではなく、普通ならば腰痛にはなりません。では原因はなんでしょうか?

〇原因は「生命力(腎気)が低下する生活をしていたこと」であり、重いものを持ったのはキッカケに過ぎません。
「たまたま無理な姿勢になったのかも」「最近、座りっぱなしのことが多いから」などといいますが、それは原因が分からないから、ごまかしているに過ぎません。私は過敏体質のため、パソコンをやりすぎるなど、生命力を低下させる生活をすると、最初に腹痛を起こします。そして、その状態で腰に負担をかけると、腰痛を起こすことがあります。

〇腹痛と腰痛と何の関係があるのか・・・とお思いになるでしょうが、東洋医学では明解に説明されています。我々が生活するためのエネルギーは、先天の精(腎力)と後天の精(脾力)の二つで成り立っています。自転車にたとえると、前輪が脾力(食物から栄養を吸収して身体中に行き渡らせる)で、後輪が腎力(生まれつき持って生まれた精力)です。私はパソコンなどの文明の力になじめない人間ですから、長時間パソコンを行うと、神経が消耗すると同時に、ストレスがたまり、いても立ってもいられなくなります。また、「久座は脾を損なう」といい、長時間座りっぱなしで運動をしないと、胃腸が弱くなることは昔からいわれています。つまり、前輪である脾力(胃腸)が弱ったことによって、後輪である腎力に負担がかかったわけです。腎は腰の少し上についていますから、腎が弱ると腰の後側の筋肉が衰えるため、上半身を支えることが負担になってきます。その結果、横側の筋肉でいっぺんに支えようとしたため、負担がかかり、腰痛を起こしたわけです(今回の私の場合)。

〇つまり、生命力を弱めるような生活をしていなかったら、多少の負担を腰にかけても、腰痛にはなりません。「腰痛は二本足動物の宿命」などといいますが、そんな単純な話ではありません。肝・脾・腎の力さえしっかりとしていれば、腰痛になどなりません。これは、私だけの話ではありません。皆さんもお心当たりがあると思います。生命力が充実しているときに、少しくらい負担をかける生活をしてもなんでもありまんが、生命力が落ちているときに、ほんの少しの負担をかけても調子をくずすのはそのためです。

〇冬は腎気が旺気しますから、逆にいえば腎に負担がかかるわけです。つまり、動物によっては冬眠することにより、エネルギーを充電します。植物は半冬眠をするため、葉からエネルギーを出さずに、地下でエネルギーを充電するわけです。これは春にエネルギーを昇発するために必要なことです。そんなときに腎を傷つける生活をしてしまったため、腰(腎の府)をやってしまったわけです。人には生活習慣を改善・・・などと言っておきながら、面目次第もありません。

〇「生理痛と同時に腰痛や下痢をする」のも同様です。生理で月経血を失うわけですから、エネルギー(気と血で成り立っている)の一部を漏出し、生命力が一時的に弱るわけです。そんなときに内臓の弱い部分が露呈し、普段は胃が弱い自覚がなくても吐き気がしたり(脾力=胃腸の低下)、普段は腰は痛くないのに重くなったりする(腎力の低下=腰は腎の府)わけです。

〇どうして生命力を漏出してまで生理があるか・・・というと、「母体の生命力を弱めてでも子孫を残す」という法則が成り立っているわけです。生理が止まれば、子孫を残すための能力は衰えますから、維持するためには生理が必要なわけです。これは、男性の精通にも同様のことがいえます。男性も精子を出せば、精子とともに腎気が漏出するわけです(つまり、女性の月経と同様の現象が起こる)。ですから、「無理に性交すると腰が痛くなる」というのは、精子とともに精力を漏出→腎力の低下→腎の府である腰に悪影響・・・という法則が成り立っているわけです。そのため、昔のお坊さんは禁欲生活を送り、腎力を漏出しないように努めたわけです。

〇男性は禁欲生活をおくることにより、生命力の漏出を防げるのに、女性はそれができないのは不公平ですね。これは子孫繁栄において、女性は男性よりも活躍されるからでしょう。
 女性の場合、閉経していなくても、生命力が低下して月経が止まることがあります。これは、エネルギーをこれ以上漏らさないように、身体が生命力を守っているわけです。それなのに、無理なことをして月経を来させると、生命力の多大な漏出が起こります。つまり、月経血が正常な状態で産生されていないのに、無理に搾り出すわけです。そんなときは、無理に月経を来させるのではなく、生命力を上げた結果、月経が来るようにすると、身体にも負担がかからず、月経以外の身体の不調も同時進行で改善されるわけです。

〇私の腰痛と同じように、生理痛・月経トラブルも含めたさまざまな症状は、日常生活で生命力が落ちた状態にしておいて(つまり、不快な症状を発症する準備をしていることになる)、あるキッカケがそこに作用すると、発症するわけです。そんなとき、「○○をやったのが原因で発症した」といいますが、正しくは原因ではなく、キッカケです。逆に生命力を上げておけば、少々の無理をしても発症しません。日常生活で生命力を上げておくことが、いかに大切かが分かりますね。

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