〇世間では、入れることばかりが重要視されています。「高齢になると〇〇が不足して、普通の食事では摂れないから健康食品で摂取しなくてはならない」とするセールストークがそれに当たります。我々は、生まれたときから欧米流栄養学を教育されていますから、これらのセールストークを聞くと「なるほど、そうか」と思います。しかし、こうしたセールストークは入れることばかりを考えて、出すことを考えていません。便通がスムーズであれば良い、などという単純なものではありません。
〇例えば、極端な例として癌(がん)について考えて見ましょう。癌は身体の中にできるアマリモノです。ですから、身体の中に余計なモノがたまって捌けない状態が長期に続くと罹患する原因となります。つまり、虚弱体質も原因となり得ますが、実証の方が比較的多く見られます(本虚標実が最も多い)。「年齢を重ねると虚弱になるから癌になる」などと短絡的なものではありません。
〇ここで癌の東洋医学的分類について、分かりやすいサイトがあったので見てみましょう。このうちの、1〜6については実証であり、残りの7〜9は虚証です。つまり、1〜6は身体の中にアマリモノが溜まっていることを意味します。
〇入ることをばかりを考えて出すことを考えないのは、例えてみれば、収入と支出のうち片方しか見ていないのと同様です。高齢になれば栄養分が足りなくなり、また、消化吸収能力が低下することは間違いありません。しかし、同時にアマリモノを排出する能力が衰えることも、また、当たり前の話です。西洋的手法は一点を見る技術に秀でていて、たいへんすばらしい医学ですが、全体を眺める観点は希薄だと思います。逆に、東洋的手法は一点を深く見る考え方は希薄ですが、全体を眺める技術に優れています。ですから、養生については東洋医学に一日の長があると思って良いでしょう。
〇最近では、漢方薬を扱うお医者さんも増えました。優秀な漢方医が存在することも事実ですが、逆に、舌も脈も見ずに(東洋医学的病名を特定せずに)西洋的病名に対して機械的に薬を処方する医師も多く見られます。これは扱っている薬は漢方であっても、実質的には漢方になっていません。西洋医学でもなく漢方でもない、だから効かない、でも、たまたま合えば効く・・・といった感じです。お医者さんであれば社会的信用があります。しかも、「漢方はジワジワ効く」といったセールストークでごまかしますし、健康保険も適用になりますから、信じて通っている患者さんも多く存在します。先日、東洋医学雑誌を読んでいたら、漢方を扱う医師の投書で「東洋医学は学ではなく術」という内容がありましたが、その通りだと思います。通り一遍の勉強をしても、職人芸を身につけなければならないということでしょう。私も肝に銘じたいと思います。
〇我々は西洋科学的発想に支配されています。衣・食・住ばかりか、運動などのスポーツやダンス、歌などの娯楽まで全てがそうです。柔道や空手などの武道さえも、西洋科学的トレーニングに裏付けられていますから、表面的には東洋のものですが、実質的には西洋科学的格闘技になっています。「丹田」と口では言っても、具体的な鍛錬などは存在せず、老人が若者を翻弄することなどは、映画か漫画の世界に成り下がっています。
〇このような世界で、生命力を浪費せずに済ませようと思ったら、CMなどに翻弄されるのではなく、自分の頭で当たり前のことを当たり前に考えることが必要です。「自己責任」というイヤな言葉がありますが、専門家のいうとおりにして調子が悪くなったとしても誰も責任を取ってはくれません。お金の運用と同様に、生命力の運用は全体を見渡して慎重に行った方が良いでしょう。
(2011・04記)
月経 異常トップ よもやま話 @胃腸・吐き気 型 Aイライラ型(PMSなど) B冷え性 型 原因 相互リンク募集 痛み 前症候群 生理不順 無月経 更年期
Copyright(C)2005-2012 Nagashima Acupuncture Moxibustion Room(Tsutomu Nagashima)