鍼の響きetc-月経トラブルよもやま話

〇鍼の響き

刺鍼中に刺激を感じることを「響き」とか「得気」といいます。施術者が感じるものと、患者さんが感じるものの2種類ありますが、今日は患者さんが感じる響きについてご説明します。一般的な鍼灸院で感じる響きは、「ズン」と重い感じがするそうです。私は過敏体質ですから、鍼灸専門学校で同級生に”ズン”とやられるのが嫌で、仮病をつかって授業に参加しませんでした。

しかし、この「ズン」という響きは誤施術であることが、後で分かりました。正しく生命力を動かした時には、足に刺した場合ピリッとする程度であり、背中の場合はほとんど何も感じません。以前は「パンッ」と意識的に響かせた時もありましたが、やはり”ズン”とは響きません(今は響かせていません)。

少し前に、「他の鍼灸院では”ズン”と響くのに、なぜここでは”ピリッ”と感じるの?」と聞かれたことがありますが、この時に学生時代に味わった”ズン”という響きを思い出しました。学生時代には、当然のことながら何の技術も感覚も芽生えておらず、「この先どう生きていくのか・・・」と途方に暮れる毎日を送っていました。周りの学生は、鍼灸の威力や技術にこだわることなく、整骨院のアルバイトで安易にマッサージを覚え、揉んでごまかす技術の習得にいそしんでいました。「お前もマッサージを覚えないと何もできない人になってしまうぞ。鍼灸で食うのは無理だぞ。」とよく同級生にいわれました。

今日は、鍼の響きについて患者さんと話をしたため、学生時代の懐かしさとせつなさが混ざったような複雑な心境を思い出し、なんともいえないシンミリした気持ちになりました。今日はこれから久しぶりに学生の頃、毎日鍛えた河川敷に行ってみたいと思います。

〇不埒(ふらち)な食欲

今日は朝からスカッと晴れていて気持ちが良い。患者さんも同じことを言っているので、私だけではないようだ。こんな日は、朝起きたときから気持ちよくお腹がすいていて、朝食の卵ご飯をペロッと平らげてしまった。そして、不思議なことに不埒(ふらち)な食欲がわいてこない。朝食べた後、15時頃まで食欲がわかなかったが、そのくせ胃はすっきりしていて気分が良い。15時頃に食欲がわいてきた時は、いつものようにうどんやそば等の、どちらかというと単糖類に近いものは食べたくならず、米の飯を食べたくなるから面白い。15時には漬物と納豆をペロッと平らげたが、食後に眠くなることはなく、珈琲やお茶を飲みたくもならない。その後、間食することなく20時まで仕事したが、大して疲れない。

ブログにも書いたとおり、我々は日常的に胃腸を甘やかしている。それは過保護な親などは比較にならないくらいだろう。食べたくない時でも無理やりに食べる理由を探し、それでもだめなら甘いモノや極端に消化が良いもの、口当たりの良いものを無理にでも胃袋に詰め込み、それが身体に良いと思っている。

こんなことを繰り返していたら、人間に元々備わっている機能が衰退してしまい、頭脳労働者が1食抜かすだけでも気持ちが悪くなったりする。私の場合、胃の調子が悪い時ほど不埒な欲望がわいてくる。それでいて胃はすっきりしていない。不埒な食欲がまた口汚い人(絶えず口に何かを入れている人)にさせるから、また、胃の機能が衰退し、悪循環に入っていく。

食べたくないのなら無理に詰め込むのではなく、生活習慣を見直すことが必要だ。また、不埒な食欲は無視することが基本、などの当たり前のことをどこまで実践できるかが、養生の基本でしょう。

〇外風

もう、すっかり秋のシーズン到来といったところです。吹いている風も涼しくひんやりとしています。この時期に散見されるのが鼻水・咳・痰・花粉症など、外風による症状です。外風とは、外の涼しい空気(寒邪)が項(うなじ)や背中の上のほうから入ってきて、呼吸器官などを侵す病のことをいいます。この季節の花粉症は、「ブタクサ」「ヨモギ」「カナムグラ」などが指摘されていますが、項(うなじ)の辺りから入ってくる外風を防ぐことができれば、それほど酷くはなりません(温病は口から入る)。一瞬のひんやりが命取りになる場合もありますので、充分気をつけることをお勧めします。
(2011.09記)

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