心と腎−月経トラブルよもやま話

〇心は五臓六腑の中で花に例えられます。根(腎)の力を元にして、心が上焦に花を咲かせるのです。この花が活性化している時は、我々は活発に活動しようとします。季節でいえば夏、1日でいえば昼近く、人生でいえば20〜40歳代くらいに該当します。

〇人にはそれぞれ五臓六腑のうちで中心を占める臓腑が決まっています。心を中心に回っている人を心気旺盛体といいます。心気旺盛体の人は活発に活動するのが特徴です。同じ心気旺盛体であっても虚弱型の人はそうともいえませんが、それでも特に子供の頃は頭脳明晰な人が多く、神童などと呼ばれているのもこのタイプに多いです。心気旺盛体の人はバリバリと仕事をこなすタイプが多く、経営者によく見られます。

〇我々も心を旺気(または異常亢進)させると活発に活動できることを知っているため、お茶類・珈琲類などを飲んだり、喫煙したりして心を鼓舞させています。ドヨーンとなっている時にこうした行為をすれば、シャキッとして良い気分になるのはそのためです。

〇心の病症を挙げると、不眠や心療内科系があります。突発的な自殺なども(東洋医学でいうところの)心の症状が多いと思われます。心が静かにならないと眠れないし、低迷すると鬱っぽくになるし、異常亢進すると過換気やパニックになりやすいでしょう。

〇極端な心気旺盛体の人は、中高年以降は(西洋医学的な)心臓疾患になりやすいといえます。5年位前にプライベートで知り合った人がいました。彼は身体が大きく、会社を経営しており、しわがれ声の人でした。「俺の心臓は丈夫だ」と言っていましたが、3年位前に心臓の手術を受けていたことが分かりました。東洋の心と西洋解剖学的な心臓は基本的には違う概念ですが、共通するところもあるようです。

〇腎は五臓六腑では根に例えられます。肝心脾肺の源を主ることを意味します。腎がしっかりしている人は、無理な動きをせずにドッシリとしていたり、悪くいえばポーッとしているようにも見られます。季節でいえば冬、1日でいえば夜、人生でいえば幼年期に該当します。

〇腎気旺盛体の人はシッカリと根がはられているため、色々なモノに振り回されず、ドッシリとしていますが、いざという時には頼りになります。生殖機能が旺盛なのはこのタイプです。頭が切れるタイプではありませんが、子供のような純粋な心を持っていて、癒し系の人も多いようです。人と衝突することを好まず、仕事をバリバリとこなすわけではありませんが、ムードメーカーとして存在感を発揮するタイプでもあります。

〇腎の病には、生殖器関連や下(シモ)の問題が挙げられます。老化は腎によってもたらされるため、腎が最も弱るのは老年期です。生殖機能は低下し、大小便の問題なども出てきて、呼吸も浅くなり(納気作用低下)、食欲も低下します。

〇極端な腎気旺盛体の人は、中高年以降に腎臓疾患にかかる傾向があります。プライベートで知り合った人に、腎気旺盛体の親子がいましたが、母上殿は腎不全→心不全でお亡くなりになり、長男の方も腎機能低下に陥っています。

〇西洋科学的には心を最も重要と考えているように見受けられます。解剖学的な概念以外でも、「野望を抱いて活発に活動する」「人との争いに勝って人の上に立つ」などは心を中心に生活しなければ無理でしょう。西洋的には心=活発という概念は存在しませんが、潜在的に心を中心とする生活をよしとしているため、考え方も生活様式も心を中心とするものになっているように見られます。

〇それに比べて東洋では、腎を最も重要と考え、腎気旺盛体の人が好まれてきました。「人と衝突することを好まない」「野望を抱くことを必ずしもよしとしない」「経営者は必ずしも好かれない」「癒し系をよしとする」などがそれを物語っています。一言でいえば「大地にしっかりと根をはって、それを表に出しすぎない人」をよしとしてきました。大仏などの人相は究極の腎気旺盛体です。東洋の人がいかに腎を大切にしてきたかを伺い知ることができます。

〇ここでは、どちらが良いと論じるつもりはありません。西洋にも東洋にもそれぞれ良い所があります。しかし、我々東洋人は西洋化するばかりではなく、東洋の良さをもう一度見直す必要があるのではないかと思います。利益優先で効率化一辺倒になると、どうしても心に偏ることになり、殺伐とした世の中になってしまいがちです。そんな世の中では余りにも味気ない気がするのは、私の甘さなのでしょうか?
(2011.9記)

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