〇わが国は、完全に西洋的なものに取って代わられたようだ。衣食住のみならず、医学も運動も思考回路も・・・。そこで、今回は身体感覚について考えてみたいと思う。
〇東洋に古くから伝わる運動には、膝を曲げて腰を落とす動作が多い。一説には、農耕民族だからとか、腰が強い民族だ、などといわれているが、私はそれだけとは思わない。
〇例えば太極拳に代表される中国拳法の正統派は、まず最初に馬歩站樁などで激しく足腰を鍛えるらしい。徹底的に鍛えてから型に入り、最終的にはガチンコの殴り合いに使えるところまで練り上げたようだ。西洋のプロレスラーと中国の太極拳使いが取っ組み合いをしているビデオが残っているが、すさまじいものがある。日本の打撃格闘技の空手でも、低く腰を落とす型はよく知られている。
〇それに対して、西洋拳闘術(ボクシング)は腰を引く落とすというよりも、ジャンプしながら軽くステップを踏んでフットワークをこなす。ダンスも同様だ。日本の盆踊りなどは軽く膝を曲げ、腰を少し落とした状態をキープしながら踊り続ける。それに比べて西洋のダンスは、ヒップホップに代表されるように、上へ跳ね上がる動作が目立つ。跳ね上がらなくても意識は下っ肚(したっぱら)に落ちていない。バレリーナやスケーターなども、上へ伸び上がる動作をしているように見える。
〇なぜ、こうも東洋と西洋は対照的なのだろうか。それは五臓六腑に対する考え方の違いによるものではなかろうか?五臓六腑は上焦(心・肺)・中焦(脾胃)・下焦(肝・腎)に分けられる。上へ上がる動作は上焦(心・肺)に意識が置かれることになり、逆に腰を落とす動作は下焦(肝・腎)に意識が置かれることになる。
〇西洋の場合、心肺停止・心肺機能という言葉に代表されるように、上焦を最も大切とする考え方が根付いている。それに比較して、東洋では肝腎要(かんじんかなめ)というくらい、下焦が最も大切と考えている(元々は肝心ではなく肝腎)。それは丹田・下っ肚(したっぱら)という言葉が重要性を物語っている。つまり、東洋においては、生命力を活性化するためには、生命源である下焦を活性化する必要性を古くから認識していたのである。そのためには、下っ肚に力が入る姿勢(腰を落とす)を日常的に意識する必要性を感じていたのではないかと思う。いつも意識していれば、生活習慣全てがそちらの方向に傾くものである。
〇西洋人は一般的に心気旺盛体質だ。独特の体臭は心気旺盛体質の特徴だ。だから、上焦(心・肺)中心に考えるのは当然のことかもしれない。しかし、東洋人がそれをマネしても、西洋人のようには行かないことも多い。
〇私たちの周りのもので、東洋的なものはほとんど残っていない。上っ面では残っていたとしても、根っこは西洋化していることが多い。それは衣食住のみならず、運動や踊りを含めた生活全般について言えるのかもしれない。
〇誤解のないように付け加えると、西洋の運動が身体に悪いとは言っていない。運動した方が良いに決まっている。それは、東西どちらの運動も中焦(脾胃)を動かすため、ある程度は生命力を活性化させる効果があるからだ。いまさら、東洋に伝わる運動をしてください、などと言うつもりはない。下手に(間違った)東洋的洗脳を受けて、オカルトな方向へ行ってしまうのであれば、やらない方がマシだ。東洋的な鍛錬をうたっている所は、オカルトなことを言って人々を惑わす所が多いので、気をつけたほうが良い。
〇私は毎日、生命力のことばかり考えているため、普通の人が気にならないことまで気になってしまうので、今回は身体感覚について余計なことを書いてみた。どんな運動でも良い。身体と相談の上、調子が良くなる運動を取り入れることをお勧めする。
*腰を落とす姿勢が、全て下っ肚(したっぱら)を意識しているとは思っていない。しかし、ここでは分かりやすく説明するために、上と下に単純に分けて考えてみた。
(2011.08記)
月経 異常トップ よもやま話 ①胃腸・吐き気 型 ②イライラ型(PMSなど) ③冷え性 型 原因 相互リンク募集 痛み 前症候群 生理不順 無月経 更年期
Copyright(C)2005-2012 Nagashima Acupuncture Moxibustion Room(Tsutomu Nagashima)